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◆会津桐細工を訪ねて
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古くから親しまれた桐細工 |
日本人の生活で古くから親しまれた桐細工。
伎楽の面、楽器 そして家具、下駄、小引出など身の回りの生活に根付いた桐細工です。
桐といえば昔から、南部桐と会津桐が良質なことで知られています。会津の厳しい寒さと湿潤な気候で年輪が締まり美しい木目の桐に育ちます。会津では昔から桐ダンス、桐下駄、桐小物細工の技が伝えられ、その職人技を求めて福島県会津若松市を訪ねました。 |
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駅前には、ふる里会津若松を守りたいという一心で幕末戊辰戦争に散った白虎隊の少年達の銅像が建っています。丁度中学校3年生から高校1年生の少年達は圧倒的な官軍の前に傷つき、戦火に見舞われ丸焼けのふる里を目の当たりにし、会津の武士らしくありたいと自らの命を絶って行きます。 |
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痛ましい少年達の純粋な行動は人々の共感を呼び会津若松に多くの人々が訪れます。戊辰戦争で丸焼けとなった市の中心街には多くの跡地が残骸を留めています。 |
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桐を植えそだてる桐の文化 |
昔、農家では女の子が生まれると庭に桐の苗木を二本植え、その子が成人してお嫁入りするときに桐を伐採し、
その材料で桐タンスや長持を作り嫁道具としたと云います。 |
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桐は成長はきわめて早く、木肌は美しくて狂いが少なく、切削等の加工が比較的容易で木工に適し、難点は強度は劣るが軽くて持ちやすくタンス、下駄、箱物等に応用されます。
桐には際だった特性があります。
熱伝導率が極めて小さく、発火しにくいことから、大切な物を守る金庫の内箱材として用いられ、火事のときに桐タンスは黒焦げになったが、中の着物は無事だったという話が語り継がれています。
乾湿機能も優れ、湿度が高くなると湿気を吸収して膨張して気密性が高まり、湿気が侵入するのを防ぎ、乾燥時には木が収縮して蒸れないように通気性を良くします。
桐の特性から大切な物を守るタンスや刀剣、掛け軸など高級貴重品を収納する箱によく用いられています。
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長い伝統の桐細工ですが、大変手間暇がかかり桐小物細工職人も少なくなってきました。会津若松でも数件を数えるほどですが職人芸を守る猪俣さんを訪ねました。 |
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渋い焼き入れの装飾と丈夫な木肌 |
猪俣さんの工房では文庫箱、化粧箱、小引出、花器などの懐かしい味わいの焼き入れした木肌、白い木肌の木地作りの半製品が山のように並んでします。 |
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独特の焼き入れ加工は、火に強い桐の表面を炎で焦がし渋い色合いの装飾にすると同時に、芽地(めじ)を出すことにより丈夫な木肌にします。
焼き入れを施し磨きをかけ更に芽地(めじ)にそって「との粉」を刷り込みます。
との粉をかけた木肌を磨くと独特のねずみ色の渋い木肌になります。
この段階でほぼ完成しますが、猪俣さん独自のワックス仕上げで更に磨きをかけて行きます。
この磨きでやさしい気品のある桐細工が出来上がります。
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猪俣さんはやわらかくて品の良い会津桐に魅せられて職人の世界に飛び込み、寝食を忘れる毎日が今も続いているそうです(奥様のお話)。 |
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やわらかい木肌の桐細工 |
木工の用材を熟知するには相当の年月が必要になります。
火と水に強く、木材では比重がもっとも軽い桐、やわらかく気品のある木肌、軽くて持ちやすい材質、一方では柔らかくて傷つきやすい性質をもっています。
桐の特徴を生かす桐細工は会津桐タンスが第一、箱物・桐下駄が第二ですが、桐”を生かした新しいインテリア製品も生まれています。
頼まれて作った会津木綿と組み合わせ行灯や特注の額縁は評判を呼び、切り株を利用した一品物の花器などは美術品の領域に入っています。 |
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日本人の生活に根付いた桐細工は約千二百年の歴史を刻んでいますがインテリア工芸の新しい領域に向かって日々進化しています。 |
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※芽地(又は目地)とは、年輪と年輪の間の木肌のことで、焼き入れや磨きにより、年輪が突起してやや窪んだ状態になります。この状態になると木肌が絞まり製品は丈夫になります。職人は”芽地を出す”とよく表現しています。 |
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会津桐細工の手作り商品 |
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●日本人の生活や文化に根付いた桐細工小物 本体価格(+税) |
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12,000 |
10,000 |
6,700 |
10,800 |
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