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自然環境に恵まれた駿河の国、ここは昔からものづくりの町 |
関東から箱根を越えると「温暖・湿潤」な駿河の国(静岡県)に入ります。車窓は趣を変え竹林があちこちに散在します。
日本の丁度真ん中にあたるこの地は海、山の自然環境に恵まれ、陸上、海上の便も発達し、平均気温が16度でとても暮らしやすい環境です。又徳川家のお膝元でもあり、江戸初期、隠居した家康が駿府を居城にしたことで、学者、大商人が移り住み一大地域文化を築きました。
物づくりの面でも駿河物(駿河指物、駿河竹細工)は海道の人気を博し、駿河は職人の町とも言われました。 |
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・JR静岡駅 |
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静岡駅北口にある竹林。竹は温暖湿潤な気候を好みます。 |
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・駿府城跡の弥次さん喜多さん |
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「東海道中膝栗毛」の作者十返舎一九は府中(静岡市)の同心。 |
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武士と職人の創案、駿河竹千筋細工 |
駿河細工として親しまれていた駿河竹細工は、徳川家康が鷹狩のために所望した鳥かごであるといいます。当時、武士は編み笠、籠など竹細工にも素養をもっていいました。
「孝行をするが(駿河)第一竹細工」の句が残るほど駿河竹細工の名声は広がり、精巧な駿河籠、竹の籠枕は駿河土産として人気を呼びました。
丸ひごを用いた駿河竹千筋細工として精巧な技術に生まれ変わったのは、華道・茶道・歌道・機織(はたおり)に秀でた岡崎藩士・菅沼一我が天保11年(1840)清水猪兵衛に教示したのが始まりと伝えられます。
武士の創案に駿河職人の技が応え、竹の特性を生かした繊細で優美な工芸技術が生まれました。 |
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・昔の鳥かご |
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家康の鷹かごはこんな形だったでしょうか? |
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インテリア工芸・駿河竹千筋細工 |
駿河竹千筋細工の特徴は、他の竹細工が平ひごを用いるのに対し、丸ひごを用いいています。
竹・籐などを用いる「編込み工芸」の中でも駿河竹千筋細工は「曲物」の要素と支えに角度を微妙に変えて穴を通し組み立てる「指物」的要素が見られます。
編込み、曲物、指物的要素により、駿河竹千筋細工の最大の特徴はその自在なデザイン性にあります。
竹の持つ優美で繊細な風合いを生かし、伝統的な工芸から現代のインテリア工芸まで竹の直線・曲線を自在にあやつる造形美を創り出しています。
「千筋(せんすじ)」の名前の由来は、竹の繊維状の筋、「繊筋」が「千筋」になったとも、細ひご千本を一束単位としたところから「千本筋」から「千筋」になったとも伝えられています。
また俗に、太さは約1ミリ。畳の幅(90センチ)に約千本並ぶほど細いことから「千筋」と呼ばれたともいいます。 |
原理は簡単、発想豊かな駿河竹千筋細工、 |
竹割りから平ひごを作り編み込む、昔からの竹工芸とはまったく異なる駿河竹千筋細工の原理はとても簡単です。
竹の弾力性を生かし、穴の開いた支えで形を作り接着剤で補強します。この繰り返しで自在な造形に仕立て上げます。
竹の素の美しさ、繊細で優美な直線と曲線の組み合わせ、インテリア工芸として広がりの大きい伝統工芸です。その昔この手法を編み出した武士と町人の発想の豊かさを感じます。 |
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・丸ひごを通す支え |
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駿河竹千筋細工は竹の丸ひごと。支えによって作られています。 |
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