子供の頃、冬の田んぼで父親と揚げた「とんび凧」が好きだった永野さん。シッポもなくとんび凧は空を舞う。脳裏に焼くついた色や形を再現したのが物つくりのはじまりです。

　凧はヒゴ作りから行います。晒し竹を１年から１年半寝かせ骨をミリ単位で削ります。
「風をイメージしながら作ります。風が弱いとき強いときどんな凧が飛びやすいか・・・」。凧の製作は奥が深く、絵づけから凧文字の作成まですべて一人の手仕事です。
　出来たとんび凧は素朴でかわいく、将棋凧は勇壮！

　茅ヶ崎で凧揚げが最も盛んだったのは、７０歳から８０歳代のおじいちゃん世代が子供時代であったとの事ですが、昔なつかしい凧は遊びの世界から工芸の世界にまで昇りつめています。

　和凧に始まった創作は木工ろくろにに及んでいます。すべて独学で技を磨いていましたがが、ろくろだけは扱いが危険。幸い近くの小田原は「小田原漆器」が有名で木工ろくろの技術が根付いていました。
　その当時、ろくろの技を教えてくれる職人は少なかったが幸いにも人に恵まれ、 ここで技を習得すます。
　ろくろだけではなく「塗り」にも挑戦し。さまざまな職人に出会いからその技を覚えました。プロの木工職人でも、ろくろ・塗り・絵づけをこなす人はいません。

　日本の伝統的な独楽を模して、こまが出来上がっていく。そして茅ヶ崎の民話をイメージし創作こま「かっぱどっくり」ができたのは７年前。創作こまは、人形であり又こまでもある。ざおの上で回るこまはいつまでも回り続けます。

　手作りを味わうのには凧作りが最適です。でも和凧の竹骨でも「竹割り３年」と言われます。
最低３年の継続的に学ぶ姿勢がお客さまにも必要ですね。