◆竹工房「はなぶさ」黒田さんに聞く
安倍川沿いの職人の町
「竹は剛ならず柔ならず」竹の持つ直線美、曲線美、竹の持つ風合い、材質を考えデザインし、製品として華を咲かせます。 編込み、曲物、指物の要素を持つ駿河竹千筋細工はデザイン性が豊かであり、「一生竹の妙味と向かい合う研鑚の日々」との想いが伝わってきます。
「晒し竹(白錆竹)」を切り、割り、裂き、へぐ、竹の皮をへぎ丸ひごを作ります。 工房の伝統工芸師黒田英一さんからもお話を聞きました。
晒し竹(油を抜き乾燥させたもの)の太さは孟宗竹も真竹も直径25cmほどで大きく白竹がとてもきれいです。特に日本古来から自生する真竹の表面は滑らかで竹工芸には欠かせません。 曲げはその大きさにより2種のこてを使うとの事です。小さいこては「夢殿の虫篭」のように急角度の曲げに使われています。
竹ひごを輪に曲げる独特の技法に加え、輪の部分のつなぎには「接ぎ手」という独特の技法があります。これらを駆使して一つの製品が出来上がります。 これらの工程はほとんど一人で行うため一人前になるには相当の年月を要します。